
「特定技能」と「技術・人文知識・国際業務(技人国)」。どちらも日本で働く外国人のための在留資格ですが、その目的や対象となる業務、要件は全く異なります。採用したい人材や、任せたい仕事内容によって、どちらのビザを目指すべきかは変わってきます。 この選択を誤ると、採用計画全体が頓挫しかねません。本記事では、企業の採用ご担当者様に向けて、この2つの在留資格の決定的な違いを、比較しながら分かりやすく解説します。
目次
「特定技能」と「技人国」の7つの違い 比較表
項目 | 特定技能 | 技術・人文知識・国際業務(技人国) |
---|---|---|
目的 | 人手不足が深刻な特定産業分野の労働力確保 | 専門的・技術的分野の知識や能力を活かす活動 |
対象業務 | 12の特定産業分野における、現場労働を含む相当程度の技能を要する業務 | 学術的素養を背景とする専門的なデスクワークや技術開発など(単純労働は不可) |
学歴要件 | 原則として不要 | 大学卒業または専門学校卒業(専門士以上)が原則 |
試験の要否 | 技能測定試験と日本語試験の合格が必須 | 原則として不要(学歴で判断) |
家族帯同 | 1号は不可、2号は可 | 可能(配偶者・子) |
転職の範囲 | 同一の業務区分内であれば可能 | 在留資格の範囲内で、より自由な転職が可能 |
永住への道 | 2号になれば可能性あり | 要件を満たせば可能性あり |
【ポイント解説】どちらのビザを選ぶべきか?
- 「特定技能」が適しているケース
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- 飲食店での調理や接客、建設現場での作業、介護施設での身体介護など、専門的な現場作業を担う人材を採用したい場合。
- 採用したい人材に大学卒業などの学歴はないが、特定の分野での実務能力と意欲がある場合。
- 「技術・人文知識・国際業務」が適しているケース
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- 大卒以上の学歴を持つ人材に、企画、設計、開発、マーケティング、海外取引、通訳・翻訳といった、専門知識を活かすデスクワークを任せたい場合。
- 採用当初から、家族と一緒に日本で生活してもらうことを想定している場合。
まとめ
「特定技能」と「技人国」は、どちらが優れているというものではなく、目的と役割が全く異なります。企業のニーズと、採用したい人材の経歴やスキルを照らし合わせ、最適な在留資格を選択することが、採用成功の第一歩です。
どちらの在留資格で申請すべきか、判断に迷われた際は、ぜひ一度ご相談ください。お客様の状況を丁寧にヒアリングし、最も確実な道筋をご提案します。
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