永住申請「10年ルール」の数え方と、継続性が認められるための注意点

永住許可申請における「継続して10年の在留」という要件。この「10年」という数字は、実は非常に複雑なルールに基づいて計算されます。特に、長期間の海外出張や一時帰国がどう影響するのか、また、過去の在留資格(ビザ)がどのようにカウントされるのかは、多くの方が誤解しやすいポイントです。

この記事では、永住審査における在留歴の具体的な計算方法と、「継続性」が失われるケースについて詳しく解説します。

目次

「継続した在留」が途切れてしまうケースとは?

永住審査では、在留期間が中断されていないかどうかが厳しくチェックされます。特に、以下の2つの基準に注意が必要です。

在留歴がリセットされる可能性のある出国日数
  • 1回の出国が90日以上
  • 1年間の合計出国日数が150日以上

上記に該当する場合、「継続して」日本に在留していないと判断され、それまでの在留期間がリセットされる可能性があります。会社の命令による長期出張など、やむを得ない理由がある場合は、その事実を詳細に説明・立証する必要があります。

なお、「1年間」というのは、暦日の1月1日から12月31日までを指すのではなく、任意のある日から1年間という意味ですのでご注意ください。

在留資格ごとの期間の正しい数え方

在留歴10年のうち、「直近5年は就労資格または居住資格で在留」という要件がありますが、この「就労資格または居住資格」に含まれるものと、含まれないものがあります。

「就労または居住資格5年」にカウントされる主な在留資格

  • 「技術・人文知識・国際業務」
  • 「経営・管理」
  • 「高度専門職」
  • 「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」など

「就労5年」にカウントされない主な在留資格

  • 「技能実習」
  • 「特定技能1号」
  • 「留学」
  • 「文化活動」

これらの期間は、合計10年の在留歴には含まれますが、「就労資格または居住資格5年」の実績としては認められません。

具体的な計算例で確認しよう

ケース1:技能実習から就労ビザへ変更したAさんの場合
  • 技能実習:3年間
  • 特定技能1号:2年間
  • 技術・人文知識・国際業務:5年間

合計在留歴は10年で、かつ「就労資格」での在留は5年のため、要件を満たします。

ケース2:留学から就職したBさんの場合
  • 留学:5年間
  • 技術・人文知識・国際業務:5年間

合計在留歴は10年で、かつ「就労資格」で5年在留しているため、要件を満たします。

まとめ:専門家と共に、ご自身の経歴を正確に確認しましょう

永住申請の在留歴は、単純な足し算ではありません。ご自身の出国日数や、過去の在留資格の種類を正確に把握し、要件を満たしているかを慎重に判断する必要があります。

当事務所では、お客様一人ひとりの複雑な在留歴を精査し、最適な申請タイミングをご提案します。少しでもご不安な点があれば、お気軽にご相談ください。

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