「「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について」の改定(2024年2月29日)

専門学校卒業生についても専攻科目と従事しようとする業務の関連性を柔軟に判断されるケース

今までは、専門学校卒業生の場合、専攻科目と従事しようとする業務について相当程度の関連性が求められてきました。それが一定の場合には大学卒業生並みに緩和されます。

出入国在留管理庁が在留資格「技術・人文知識・国際業務」のガイドライン、「『技術・人文知識・国際業務』の在留資格の明確化等について」を2024年2月29日に一部改定しました。 https://www.moj.go.jp/isa/content/001413639.pdf

重要なポイントは、専門学校卒業生の場合、専攻科目と従事しようとする業務について相当程度の関連性が従来必要とされていましたが、今回、「専修学校の専門課程における外国人留学生キャリア形成促進プログラムの認定に関する規程(令和5年文部科学省告示第53号)」第2条に定める文部科学大臣による認定を受けた専修学校の専門課程の学科を修了した者」については、「企業等と連携して実習等の授業を行っていることや、日本社会に関する理解を促進する環境が整備されていることなどを認定要件とする専門課程を修了し、質の高い教育を受けたことにより、修得した知識を応用できると考えられることから、専攻科目と従事しようとする業務の関連性について、柔軟に判断することとしています」という内容が追加されたことです。

つまり、今までは専門学校卒業生については、専攻科目と従事しようとする業務について相当程度の関連性を求められていたところを、一定の条件を満たす専門学校の専門課程の修了生については、大卒者と同じように専攻科目と従事しようとする業務の関連性がかなり緩く審査されるようになるということです。

「専修学校の専門課程における外国人留学生キャリア形成促進プログラムの認定に関する規程(令和5年文部科学省告示第53号)」第2条に定める文部科学大臣による認定を受けた専修学校の専門課程の最初の認定が2024年3月29日付で行われ、公示されました。 認定された学校数は187校、学科数は475校だそうです。 https://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/senshuu/1412546_00015.htm 日本全国の専門学校(専修学校のうち専門課程を置く学校)の数は2,693校(2023年5月1日現在。https://www.mext.go.jp/content/20230823-mxt_chousa01-000031377_001.pdf)なので、認定校はかなり限定されていることがわかります。 認定された学校、課程の一覧はこちらです。 https://www.mext.go.jp/content/20240405-mxt_syogai01-000034602-2.pdf

また、文部科学省のホームページに、「本プログラムは「職業実践専門課程」の修了生が対象となる制度であることから、当該学科が「職業実践専門課程」として認定された日の次年度の始期以降に入学し、当該課程を修了した外国人留学生について適用されるものとします。(例:令和5年度に「職業実践専門課程」の認定を受けた場合、令和6年度に入学する生徒から、「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」の対象として認められます。)」とありますので、この対象となるのは、2024年の春に入学し、2026年3月に卒業する留学生が最初ということになります(修業年限が3年の課程は2027年3月の卒業生から)。

つまり、専門学校卒業生の専攻科目と従事しようとする業務の関連性が柔軟に判断されるようになるといっても、認定される学校・課程は限られており、また、認定される学校・課程の卒業生であっても、今すぐにこの関連性緩和の対象となるわけではありませんので、注意が必要です。